トムスクってどこですか?日本とのつながりはありますか?

シベリア

トムスクはロシアのシベリア地方にある都市です。
トムスク州の州都で人口は約58万人、日本でいうと鹿児島市くらいです。
1604年に要塞として建設されたのが始まりで、建設400年を超えるシベリア最古の町のひとつです。

この記事を書いている人

ロシアとお付合いして30年が過ぎたMANAです。
広大なロシアの中でもシベリアとロシア極東(サハリンを含む)をメインに活動しています。
シベリアの世界遺産やまだ知られていない魅力、穴場スポットを発信しています。
プロフィールはコチラからどうぞ。

トムスクへの行き方

日本からの直行便はありません。
飛行機ですと、成田ーモスクワートムスクというルートがあります。
日本から一旦ロシアの首都モスクワまで行き、東へ戻るという長旅になります。

私達の訪問団は毎年、シベリアの中心都市ノボシビルスクで活動しておりますので、ノボシビルスクまで行き、そこからバス移動という方法をとっています。
ノボシビルスクまでは成田空港からロシアのS7航空(JAL共同運航)が週1便、直行便を飛ばしています。
ノボシビルスクからトムスクまでの距離は約260㎞、バスで3時間半です。

*2023年9月現在、日本からロシア各地への直行便は運航しておりません。

トムスク駅
ノボシビルスクからトムスク行きの路線バス

ノボシビルスクからトムスクまでの都市間バスがあります。
トムスクのバスターミナルはトムスク駅のとなりにあります。

トムスクはどんな町だろう

歴史について

トムスクは人口約58万人で、シベリアの中でも古く、400年以上の歴史のある町です。
トムスク州の州都で、オビ川の支流トミ川沿いにあります。

1604年ツァーリ―、ボリス・ゴトノフが中国とモンゴルに対抗するため、コサックに命じてトミ河畔に建設させた要塞を起源とします。

1830年代よりシベリアで金の発掘が盛んになり、ゴールドラッシュで人口が急速に増えてシベリア最大の商業都市となったが、シベリア鉄道建設の時にトムスクの先のオビ川周辺に湿地・沼地が多いため鉄道を渡すことができず、本線から外れてしまい経済発展から取り残されてしまいました。
シベリア鉄道の本線沿いのノボシビルスクが発展して最大の都市の座を奪われた形になりました。

シベリア鉄道

シベリア鉄道の本線からはずされ、東西交通の利益を得ることができなかったのです。
しかし、逆に考えると、シベリア鉄道が通らなかったから、歴史のある建物が多く残り、昔の伝統がたくさん残る町として現在のトムスクがある、とも言えますね。

3頭のくじら

トムスクの町、古い歴史があるということは、いろいろな場所から人々が入ってきました。
モスクワなど西側の地域から来たロシア人もいれば、中央アジアや中国、モンゴルからの移民もいました。バイカル湖東側のブリヤート人やロシアの北東でいうとサハ共和国のヤクート人なども移住してきたのです。
民族がとても多いため、民族同士や異なる宗教の人々が対立しないように、「3頭のくじら」を町の象徴として融和政策を行ってきたのです。

「3頭のくじら」とは
①教育
②宗教
③建築

質の高い教育を目指し、大学などの教育機関を設立し、宗教の自由も認めました。
昔からの伝統を守るために建築に力を注ぎました。
多民族が住みやすいように配慮し、町を存続させてきた歴史があるとトムスクのガイドが話してくれました。

学生の町

トムスクは学生の町とも言われています。
大学が多いため5人に1人が学生だそうです。
人口の20%、つまり10万人以上の学生がトムスクに住んでいます。

1888年にトムスク国立大学が設立され、トムスク大学を含め6つの国立大学があり、町のメインストリートに並んでいます。

トムスクの経済発展の軸は世界に誇るIT技術です。
ロシア国内トップクラスで、トムスク工科大学は世界レベルの優秀なエンジニアを多数輩出しており、世界的に知られている企業がいくつもあるそうです。

木造建築の町

トムスクの町は「木造建築の町」とも言われています。
19世紀後半から20世紀にかけて経済的に栄えた時期にたくさんの木造建築が作られました。
100年以上の歴史のある木造建築物が町の雰囲気を作っています。

装飾がお見事です!
特に窓の飾りが凝っています。
窓は外との境界なので、悪いものが中に入らないように凝った装飾がなされたそうです。

家のひさしや窓枠、バルコニーには透かし彫り装飾がほどこされ、彫刻はとても細かく、装飾はひときわ美しく、職人技術によって洗練されていったそうです

ゴージャスな窓枠の建物は博物館ではありません。
一般の方が実際に住んでいます。

町の雰囲気は静かで時間がゆっくり流れている感じです。
インスタ映えの建物やストリートがいっぱいです。

町並みはサンクトペテルブルクを手本にして作られたそうです。

トムスク歴史博物館

小高い丘の上にあるトムスク歴史博物館の展望台から町を望む。
高いビルはありません。

シベリア最大の植物園

トムスク国立大学内には植物園があります。
異なる環境の複数の温室があり、シベリア最大の植物園で、ロシアでも1,2を争う規模だそうです。
高さ31mの温室があり、ヤシの木の成長に合わせて天井を高くする工事をするそうです。
なので、どんどん天井が高くなっていきます。

オーストラリア近くの島から移植された150歳以上の古いヤシの木があります。

トムスクの別の大学に通っていた学生ニコライ・ニキーチンんは、このヤシの構造にヒントを得てモスクワのテレビ塔(オスタンキノテレビ塔)を建てたそうです。

日本とのつながり

トムスクは日本との姉妹都市はありません。
日本との交流事業もほぼありません。
しかし、日本語や日本文化に興味がある学生市民や市民が多く、市内には生け花サークルやアニメ同好会もありました。
また、トムスク州政府などの公的機関で働いている職員が日本語を話せたり、日本が大好きな方がいたりと、とても日本に親近感を持っているようです。
そのため、NPO法人札幌ノボシビルスク協会との事業に積極的に協力していただき、日本フェスティバルにはトムスク州政府が共催してくれるという大変ありがたいつながりができました。

トムスク国立大学

堂々とした風格がカッコ良い建物です。

1888年に設立されたシベリアで最も古い歴史のある大学で、シベリアの優秀な人材が集まってきます。

「なぜトムスク大学を選んだのですか?」と学生に聞くと
「両親も祖父もトムスク大学出身なんです」とのこと。
さすが、歴史が長いってことですよね。

医学系が有名ですが、現在はIT関連の育成が素晴らしく、世界で活躍するIT技術者を多数輩出しています。
日本では全く知られていませんが、シベリアでは知名度が高く優秀な大学なんです。

大学構内
新築された学生寮

トムスク国立大学での「日本フェスティバル」の様子は別記事でご紹介いたします。

日本の大学とのつながり

2014年に国際会議「アジア大都市ネットワーク21(ANMC21)」がトムスクで開催され、当時の東京都知事舛添要一氏がトムスクを訪問しました。
それをきっかけに、東京都市大学とトムスク大学は学術交流協定を締結しました。

私がトムスク大学を訪問した時に、廊下に飾られている東京都知事を含む訪問団のみなさん(都議会議員)の写真を紹介してくれました。

大学構内の廊下に貼ったあった大きなポスターです。
「EXTREMOPHILES 2016」が京都大学で開催された時に、トムスク国立大学も参加したとのことです。

※EXTREMOPHILESとは?
超限環境生物学会のことです。(む、むずかしい。。。)

NPO法人札幌ノボシビルスク協会との協定

調印式
日本語学科の生徒達と記念撮影

2016年10月にNPO法人札幌ノボシビルスク協会の理事長として、トムスク大学を訪問して交流協定を締結しました。

トムスクとの交流事業や日本フェスティバルの様子はNPO法人札幌ノボシビルスク協会の公式サイトからどうぞ
↓ ↓ ↓ 

あとがき

トムスクには客室が10~50室くらいの規模が小さいホテルが多いですが、アットホームなホテルが多いです。
オーナーと宿泊客との距離が近く、何か不便がないかと声をかけてくれたり、朝食サービスを日本人好みに変えてくれたりと心温まるサービスを受けました。

トムスクの物価はノボシビルスクより若干ですが安いです。
レストランの料理もサービスも満足しました。
初めて飲んだトムスクビールはおいしかったです。

治安は良いです。

2016年、2018年、2019年にNPO法人札幌ノボシビルスク協会の訪問団がトムスクで「日本フェスティバル」を開催しました。
その時の記事は後日UPしたいと思います。

ひとりごと ブログをお引越し中です。ドメイン取得やサーバー契約などはエックスサーバーを利用しました。素人の私でも簡単にできましたのでおすすめしますね。
↓ ↓ ↓

タイトルとURLをコピーしました